映画「精神」のこと

映画「精神」の監督はニューヨーク在住の想田和弘。2年前だったかしら、前作の「選挙」をま~爺は同じ第七芸術劇場で観て、感想をこのブログに書いたところ、それを読んだJKのじゅんこと北川氏やヤックンこと山本さんらが映画を観に行ってくれました。

今回の「精神」も「選挙」同様、ナレーションや音楽は一切なしで、観客が自由に考えることのできる作品に仕上げています。また、モザイクなしで素顔で映画に出てくれる登場人物のみにカメラを向け、人間として鮮烈に描き出すことに成功しています。

精神科の医療施設にカメラを入れ、その世界をつぶさに観察、「正気」と「狂気」の境界線を問い直し、現代人の精神のありように迫ります。同時に、心に負った深い傷はどうしたら癒されるのかを観るものに問いかけてきます。

テーマも重く、登場人物も精神を病む人たちですから、当然重苦しいシーンもありますが、施設の職員と患者との心温まる交流なども描かれていて、決して暗いだけの映画ではありません。観客席から笑い声が起きるシーンも随所にありました。

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