今日は原爆忌

 

聞きたきは死者の声なり広島忌       卓三

広島に原子爆弾が投下されたのは七十年前の八月六日。歳時記は原爆忌を表題とし、六日を広島忌、九日を長崎忌としている。一瞬にして三十万人を超える犠牲者を出した広島の惨状は戦争の酷たらしさ、愚かしさを象徴している。

このような季題をユーモラスに詠むということは許されないが、生き残った者たちや戦争を知らない者たちが式典などの壇上に立って語るもっともらしい口吻に対して、諧謔心が放ったイロニーを感じていただければ本望である。

コメントは受け付けていません。